デジタル放射線透過試験

デジタル放射線透過試験とは


フィルムを使用するRT検査(F-RT) フィルムを用いたRTは、各種工業分野の製造プロセスにおいて、機器・構造物などの溶接部の健全性を確保するための方法として、長年にわたり適用されてきました。X線を照射したフィルムは、現像液・定着液などを用いた現像処理を行い、出来上がった透過写真を判定することで健全性の確認が行われます。フィルムは試験結果として、品質を維持しながら長期に保存することが求められます。温度や湿度、光などの環境要因からフィルムを守りながら保管・管理を行うのは容易ではありません。
フィルムを使用しないRT検査(D-RT) 近年、デジタル技術及び画像処理技術の進歩によりX線フィルムを用いないD-RTが医療分野をはじめ工業分野にも普及してきています。透過写真はデジタルデータとして記録され、フィルムはもとより、現像液や定着液を使用しないため、廃液など廃棄物による環境負荷が低減されます。試験結果はデジタルデータとして保存されるため。保存環境によるフィルムの劣化や保存場所の確保などの問題がなくなります。また、画像データと共にプロジェクト名や接手番号、試験体番号も保存できるため、検索等の管理が容易になります。JISにおいても「JIS Z 3110:2017  溶接継手の放射線透過試験方法―デジタル検出器によるX線及びγ線撮影技術」という規格が制定されました。
D-RTのメリット X線に対して感度が高いため、撮影時間の短縮、必要線量の低減が可能です。フィルムの現像やスキャンの手順が不要で、PCのモニタに瞬時に画像を表示することができます。そのため、動画での撮影や、連続して撮影することに適し、オートメーション化などの拡張性があります。ダイナミックレンジ特性があり、識別可能な信号範囲が広いため、材料厚さの変化する複雑な形状の試験体も一回の撮影で詳細な画像の取得が可能となります。