コンクリート構造物の調査

コア採取 コンクリートの強度や構造物の耐久性など各種基礎的な試験を行う事を目的として、専用のドリルカッター等を用いて採取します。

採取する前に採取する位置を決定する為にレーダ探査やX線等によりコンクリート内部の状況を確認することも重要な調査のひとつです。
 
 
 
コア供試体 コアのサイズは、JIS A 1107の規定により決定する。
【供試体の直径】
一般に粗骨材の最大寸法の3倍以上
(どのような場合でも2倍以下としてはならない)
鉄筋ピッチ以下残存膨張量(アルカリ骨材反応)の場合は100mmφ
【供試体の長さ】
原則として直径の2倍以上
残存膨張量の場合は250mm以上
中性化試験 健全なコンクリート中のpHは、一般に12~13とされている。このpHが低下し10程度以下になると鋼材は腐食する。

中性化の測定は、フェノールフタレインの1%アルコール溶液(水を15%程度含む)を噴射し、着色のしない部分を中性化領域として測定する。
圧縮強度試験 コア採取した円柱供試体を用いて行います。
最大荷重を超えると、コンクリート中のクラックが進展するのに必要なエネルギーが、健全な部分及び圧縮試験機から放出される弾性エネルギーより小さくなり、供試体が破壊する。最大荷重を供試体の断面積で除して、圧縮強度(kgf/cm2)を求める。
シュミットハンマー法 左図のような測定具を用いて、コンクリート表面を打撃し、ハンマーの反発程度(反発硬度)からコンクリートの強度を測定する。
電磁波レーダ探査 レーダとは「Radio Detection Ranging」の略で、電磁波をコンクリート表面から内部に放射し、探査対象物からの反射波を受信画像処理する事により位置確認を行う技術です。
電磁波レーダ探査の原理 インパルス状の電磁波をコンクリート内へ送信アンテナから放射し、コンクリート内の比誘導率、導電率の異なる物質の境界面から反射波を受信アンテナで受け、伝搬時間より位置特定をする。
放射線透過試験 コンクリートと鉄筋及び電配管等のX線に対する透過性の異差によりフィルム上でその存在の確認を可能にしました。
対象となるコンクリート供試体の厚さは、コンクリートの密度にも大きく関係しますが、ほぼ400mm程度までであれば携帯型のX線装置により撮影が可能です。
<適応箇所>
1.構造物の設備配管の位置特定
2.構造物補修、補強の為の配筋施工確認
3.PC桁等のシース管位置確認
4.通信ケーブル、電線などのケーブル探査
5.防水シート等の探査
6.コンクリート壁・床などの埋設ケーブル探査